世界最大の金融マーケットである「外国為替市場」とは、電話やコンピューター端末で売買を行うネットワーク全体のことで、株取引の証券取引所にように存在する訳ではありません。外国為替市場には、「銀行間市場(インターバンク市場)」、「対顧客市場」の2つの市場があり、参加者は銀行や証券会社などの為替ブローカーです。一般的に外国為替市場とは、インターバンク市場のことを指します。
もう1つの市場である「対顧客市場」は、個人や事業法人が銀行との間で行う外国為替取引のことを言います。例えば円を外貨に交換するときなど、インターバンク市場(銀行間市場)では為替は24時間動いており、顧客に対し変動するレートを適用するのは困難です。そこで銀行は顧客に対し仲値を元に固定された為替レートを提示するのです。
言い方を変えれば、インターバンク市場は「卸売」、対顧客市場は「小売」の役割を果たします。この「対顧客レート」は基本的に1日1回のみの公開で、大幅な為替変動などがない限り翌営業日まで固定されます。
現在では、個人投資家であっても「インターバンク市場」に近いレートで為替取引が出来るようになっています。それが、1998年4月の外為法の改正により生まれたFX(外国為替証拠金取引)なのです。
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